カシオ社の腕時計 PRO TREKで採用
カラーバリエーションが豊富で装着感の良さが売りのシリコーンバンド。
従来のシリコーン製品とは一味違う仕上がりで、最大の特徴は高機能なコーティング。
シリコーンゴムにおけるコーティングの限界
トータルバランスに優れたゴムとして多種多様な製品に採用されるシリコーンゴム。ただ、弱点もはっきりしていて、“タック感がありホコリも着きやすい”“耐摩耗性が低い”といった点が挙げられます。
その2点を回避する際に用いられるのがコーティングとなりますが、コーティングによってタック感やホコリ付着を回避させることは比較的容易です。
問題となるのは耐摩耗性を含めたコーティングの耐久性。
表面がすり減るような現象を避けて“耐摩耗性”を上げた場合、どうしても曲げに追従できずひび割れなどが出来てしまう。“追従性”を上げてひび割れなどを避ければ、どうしても表面がすり減りやすくなり磨耗してしまう。
といった具合に“耐摩耗性”と“追従性”はトレードオフの関係にあり、どちらかを選択しなくてはならない、
とうのがシリコーン製品におけるコーティングの課題でした。
腕時計バンド向けに開発された特殊なコーティング
PRO TREK用バンドでの採用にあたり、当社では“耐摩耗性”と“追従性”を両立させたコーティングの開発に成功。耐摩耗性を保ちながらコーティング膜の追従性をキープさせるためには試行錯誤が必要でしたが、質感も損なわない高機能なコーティングに出来上がりました。
開発のポイントは、如何にして密着強度を上げるか？であり、材料メーカーと共同開発したコーティング剤と塗装方法の工夫によってこのミッションを実現。外観部品の可能性を広げることに成功しました。
